ギャラリーなどで器を手に取って気に入って購入しようか、いや次回にしようというようなことはどなたでも経験することだと思います。
でもですね、“次回”は無い可能性が高いんです。
一期一会だとご説明させていただくこともあります。
その理由をいくつかご説明いたします。

  1. 手作りの器は世界にひとつ

    手作りの作家さんでも型でお造りになる方もいらっしゃいます。
    そうすれば大きさと形はいつも同じになるはずです。
    ところがそうとは言い切れません。
    器は様々な条件の組み合わせで完成します。
    土の種類、釉薬、焼く温度、窯の状態や窯に入れる時の位置などなど。
    全く毎回同じというのはまずありえませんね。
    同じように見えてもよくみるとひとつひとつ表情が違うわけです。

  2. 同じ作品を作り続けるとは限らない

    作家さんは人気のある売れる作品を作り続けるでしょうが、それが作家さんの作りたいものであるとは限りません。
    単純に同じものを作り続けるというのは、飽きへの我慢も必要になるでしょう。
    作家さんは、アーティストです。
    極端なことを言えば、お客様に受け入れられなくても作りたいものはあります。
    それと、器にも流行り廃りはありますね。
    そのような世の中の状況にも影響されるはずです。

  3. 経験年数や年齢による変化

    作家さんは若い頃に作っていたものと年齢を積み重ねて作ったものではは自ずから違う傾向のものを作るはずです。
    まず同年代と概ね同じ趣味嗜好を持っているからではないでしょうか。
    その時々の世の中の動きなども関係してくるかと思います。
    かつてのバブルの時代。百均で食器が安く買える今の時代。
    このそれぞれの時代を見ても、そもそもマーケットが違うのは必然なので売れるものは異なります。
    それから、作家さんは年齢が増せば経験を積んで熟練してくるわけですが、一方加齢により細かな作業は難しくなるというような影響も起こるはずです。
    自分の年齢、過ごしてきた世の中によってもできあがる器は違ってくるに違いありません。

ということで、「この器、素敵だな」と感じたら宝物との出会いだと思うくらいでご検討されるのをお勧めいたします。

器との出会いが一期一会である理由