NHK 100年インタビュー「陶芸家 十四代 酒井田柿右衛門」という番組が再放送されていたので興味深く見させていただきました。
高価で縁遠い磁器だという先入観がありましたが、14代 柿右衛門さんのお話は工芸に対する理解を深めさせていただくとても素晴らしいお話の数々。

柿右衛門様式を数百年も守り続けている仕事では、職人は分業で自分の仕事を愚直に何十年もやるそうで、50才くらいになってやっと一人前だそうです。
土をこねるところからはじめ、ろくろをずっとやり続ける。
絵付けだけずっとやり続ける。
難しい事だからこそ、飽きる事は無く一生勉強なのでしょうね。
全てを自分で行うような作家はとは違うので、職人には個性はいらないという話しもありました。

“きれい”と“美しさ”は違うというお話がありました。
日本の美意識は“美しい”で、日本人がDNAに持っているようなもの。
“きれい”とは、“まっさら”、“汚れが無い”、“均質”、“整然”というようなことばで細くできるようなもので、“美しさ”とは“侘び寂び”にも通じるたとえ古いものにも見いだす事ができる美という事になるかと思います。
均質ではないところに美しさを感じるということでもあり、近代、化学できれいな色の出る釉薬では美しさはでないので、わざと古い銅板や鉄くぎなどを隠し味に混ぜているという話しには驚きました。

柿右衛門様式の特徴の一つが“濁手”。
真っ白ではない乳白色の優しい白によって柿右衛門の色がより美しくなる重要なものですね。
その濁手というキャンバスの上に絵を描くわけですが、“余白を描いて”柿右衛門は生まれてくるわけです。

大量生産の器はきれいではあるでしょうが、何か違うのを感じるのは美しさを感じられないからでしょう。
とても勉強させていただいた番組でした。

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